【税理士が解説】キャッシュフロー計算書作成における間接法とは？

キャッシュフロー計算書は、会社の資金の動きを細かく把握するための大切な財務資料です。

企業の現金の増減を正確に確認することができるため、資金繰りの失敗による倒産リスクを避けることが可能です。

本記事では、キャッシュフロー計算書の基礎知識から間接法のポイントまで、実務に役立つ情報を解説します。

キャッシュフロー計算書の基礎知識

キャッシュフロー計算書は、一定期間の企業の現金の流れを表す大切な財務資料です。
損益計算書や貸借対照表と違い、作成が求められるのは一部の企業だけです。
会社の資金状況を正確に把握し、経営の健全性を維持するために欠かせない書類になります。
会社の現金の動きを理解できれば、利益があっても資金不足で倒産する、黒字倒産のリスクを防ぐことができます。

キャッシュフロー計算の間接法とは

間接法は、国内の企業が広く採用している現金の流れを計算する方式です。
事業の純利益から各種の調整を加減することで、実際の資金の動きを把握できます。
損益計算書と貸借対照表のデータがあれば作成できるため、比較的簡単に作成できます。
外部の経理事務所への依頼もスムーズに進められるメリットがあります。
ただし、仕入れや経費の内容を細かく確認することは困難です。

間接法と直接法による計算方法の違い

キャッシュフローの計算方法には、現金取引を項目別に集計する直接法と、純利益から調整を加える間接法があります。

計算手順は異なりますが、どちらの方法でも最終的な数値は必ず一致します。

国際会計基準では現金の流れを詳しく把握できる直接法を推奨していますが、実務では手続きが簡単な間接法を採用する企業が多いのが現状です。

間接法のメリット・デメリットとは？

間接法でキャッシュフロー計算書を作成する場合、以下のようなメリット・デメリットがあります。

間接法の実務的なメリット

間接法の最大のメリットは、キャッシュフロー計算書を効率よく作成できる点です。
直接法では損益計算書や貸借対照表以外の追加データが必要になりますが、間接法では既存の財務諸表のデータを使って作成できます。

そのため、企業の実務担当者の負担を大幅に減らすことができます。

間接法の実務的なデメリット

間接法のデメリットは、企業の現金の動きを詳細に把握できない点です。
純利益から税金や営業外の項目を除いて計算を進めるため、個々の取引の内容を正確に理解することができません。

まとめ

キャッシュフロー計算書は、会社の現金の流れを正確に把握するための重要な財務資料です。

作成方法には直接法と間接法があり、多くの企業では既存の財務書類を活用できる間接法を採用しています。

ただし、個別の取引内容を詳しく確認することは難しい特徴があります。

自社に適した作成方法に迷った際は、税理士などの専門家にご相談ください。