相続税対策の方法

相続の対象となる遺産は、被相続人が死亡した時点で抱えている財産全てであり、相続税も遺産全体に対してかかってきます。そして、相続税の税率は、累進課税制度が取られています。すなわち、遺産が多ければ多いほど相続税は高くなるのです。そこで、相続税の課税対象になりそうな方や、財産が多い方は、生前から相続税対策の方法をしっかり考えておくと、節税になりますからおすすめです。

ここでは、相続税対策になる方法として一般的に考えられる4つについてご紹介します。

①生命保険に加入する
生命保険への加入は、相続税対策になります。なぜなら、生命保険金や死亡保険金は、一定額までは相続税がかからないからです。非課税の枠は、500万円×法定相続人の数となります。たとえば、法定相続人が2人いる場合、500万円×2人で1000万円までが非課税になります。

そのため、この金額を生命保険に入れておくことはとても有効です。

②不動産投資
最近耳にするのは不動産を購入することです。これが言われるのは、不動産の相続税評価額を減らす制度があることや、不動産の評価方法が路線価方式という方法で行われ、実際の価額より安く評価されるという事情のためです。ただし、各種制度が適用できない場合がありますし、また不動産の価格は、景気など様々な事情によって常に変動します。不動産投資にはリスクが大きく、慎重な判断が必要です。

③生前贈与
もっともオーソドックスな方法の相続税対策です。相続税は、暦年贈与の場合、年に110万円以下の贈与は課税対象になりません。この金額は受贈者単位で計算されますから、例えば3人の孫に100万円ずつ贈与すれば、年間で300万円を非課税で贈与することができ、節税となります。また、相続時精算課税制度というものもありますが、これは簡単にいえば贈与税納付を相続税納付時に先送りする制度であり、節税になるかどうかはケースによって異なります。

④養子縁組制度
最後に、養子縁組の制度を利用することも考えられます。これは、孫を戸籍上養子にすることで、法定相続人の数を増やし、基礎控除の面で優遇させることです。実際、法定相続人1人ごとに基礎控除額は600万円増えますから、節税になるといえます。ただし、相続税が逆に増える場合や、家系図や遺産分割が複雑化することを考えると、慎重に判断すべきといえます。

以上のように、相続税対策としていわれる手段はいくつかありますが、本当に節税になるのか、かえって損をしないかという点や、相続が複雑になってトラブルの原因にならないかという懸念などもあり、個別のケースによって最適な相続税対策は異なるといえます。

相続税対策をお考えの方は、お気軽に当事務所までご相談ください。

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